録画サーバを新調(構成)

October 21, 2020 10 min read

だいぶ前に組んだ録画用のサーバが古くなってきたので新調した話。
自作 PC の経験はそれほど高くないので、ネットの情報に頼りながら構成した。

録画サーバの概要と要件

主に地上波の番組を録画するのに使用するサーバ。 1 日に 0~数時間の番組を録画し、 mp4 形式への変換を行っている。

現状の使い方を大幅に刷新する予定はないので、同等のことができれば良くて、現状困っている点は以下。

  • サイズが大きい(スリムタワー型)  ←  メイン
  • ファンが煩い

また、現状の用途を考えると、以下も考慮したい。

  • チューナーは PT3 を使い回すので、PCIe の拡張スロットが 1 つ以上必要
  • 常時稼働なので、低消費電力
  • ファイルサーバ兼用
  • 当たり前だが低コストなほど嬉しい

パーツの選定

上述の要件を満たすようにパーツを選ぶ。(主にネットの情報を頼りに)

自作するときにはパーツの選択肢が無限にできるので、迷走しがち。 解決策として複数考えられると思うが、自分は拘りたい点を列挙していき優先順位をつけてパーツ選びを進めるとスムーズにできる(気がする)。

ケース

今回のメインの改善点であるサイズに直結するのが PC ケース。 スリムタワー型より小型のものは SFF (Small Form Factor)と呼ばれたりするが、主な選択肢としては以下の 2 つだと思う。

  • NUC などのベアボーン型
  • Mini-ITX 規格

単純に小さい PC を作りたいだけならベアボーン型を選ぶと解決するが、大抵のものは拡張性に乏しく割高になりがち。(ストレージやメモリくらいしか変更できない) 私の場合、TV チューナーを内臓するための PCIe 拡張スロットが必要なので、後者の Mini-ITX 規格を選んだ。

Mini-ITX のケースは普通の規格(ATX など)に比べると種類が少ないが、その分選び易くはあった。 Mini-ITX 規格で組むのは初めてのため、ネットの情報をあさっていたら以下のスプレッドシートを見つけた。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1AddRvGWJ_f4B6UC7_IftDiVudVc8CJ8sxLUqlxVsCz4/edit?usp=sharing

もともとは Reddit (海外掲示板) の有志が作ったもので、英語でよくまとめられているのでわかりやすい。 内容としては、SFF で自作するときの Tips や、ケース、CPU、CPU クーラ、メモリ、電源などの詳細な規格をエクセル形式で書かれている。

それぞれの項目に対して、メーカの公式製品ページへのリンクがついていたり、詳細なサイズや規格が書かれているので比較しやすい。 PC ケースに至っては対応している CPU クーラや電源のサイズ、ストレージの種類も書かれているので、自分の組みたい PC の条件にマッチした SFF ケースを選びやすかった。

主に Mini-ITX 規格のケースでは、電源の種類によって選ぶらしく、電源には以下の種類がある。(小さい順)

  • DC-ATX
  • Flex-ATX
  • SFX(-L)

DC-ATX はいわゆる外付けの電源で、電源ケーブルの途中に大きい箱がついているもの。一番小さく、ファンがないため静音だが、電源容量が小さい(~150W)のがデメリット。 私は最初、静音ということを決め手にこれに決めようかと思ったが、条件を絞り込むと PCIe の拡張スロットを搭載しているケースが少なく、電源容量が不安だったので諦めた。

なので、次に小さい規格の Flex-ATX に決め、拡張スロットを搭載しているケースに絞り込んだ。

その中で主にデザインを重視して GEEEK A31S に決めた。 画像は公式サイトのもの。

GEEEK A31S 公式サイトの画像

オプションで PCIe のライザーケーブル(延長ケーブルのようなもの)が選べる。 調べると、ライザーケーブルを固定するネジの配置がメーカーごとに異なることがあるようで、無難にオプション付きで注文した。

CPU とマザーボード

ケースが決まったところで、次に CPU とマザーボードを決めた。 規格はケースに合うように Mini-ITX なので、あとはモデルとメーカーを決める。

これはそこまで選択肢が多いわけでもないのでサッと。

冒頭で述べたように、録画したものを変換して保存しているため、エンコードする必要がある。 また、拡張スロットをチューナに 1 つ占有されるため、内臓 GPU のない CPU を選ぶ場合は拡張スロットが 2 つ以上あるマザーボードである必要がある。

ほぼリアルタイムでエンコードする必要があるため、ソフトウェアエンコードは選択肢から外し、低消費電力の観点や拡張スロットの制約を考えると、 QSV のハードウェアエンコードを行える Intel 製の CPU に決めた。 (旧サーバが QSV で、特に画質に不満を覚えず、移行の手間も考慮した)
主に参考にしたのは rigayaの日記兼メモ帳 さんの 画質比較 (2020.03) 実写編

先ほど紹介したスプレッドシートを参考にしつつ選ぶ。

QSV が使えればどの CPU でもいいのだが、ファイルサーバ兼用なことを考慮すると、最低でも Core i3 にする。 価格を考えると、第 9 世代と第 10 世代で差がなかったため、最終的に Core i3 10100 に決定した。

CPU のソケットは LGA1200 になるので、必然的にチップセットは以下の 4 つに絞られる。

  • H410
  • B460
  • H470
  • Z490

これらの違いはスプレッドシートを参照して欲しい。

主にオーバークロックの可否と、PCIe のレーン数が異なるが、選んだ CPU と私の用途を考えると、どれでもよいことになる。 なので、ソケット(LGA1200)とフォームファクタ(mini-ITX)を気をつけながら、またスプレッドシートで絞り込んだ。

最終的には価格と性能差のバランスを考えて ASUS PRIME B460I-PLUS/CSM に決定した。

電源

電源のサイズ(Flex-ATX)とおおよそ必要な容量(200W~)が決まったので、電源を決める。

ここら辺からは、以前までに決めた項目である程度絞られるため、時間かけずに選べる。

これもスプレッドシートに一覧があるのでこれを参考に選ぶ。
日本で売られている正規品を買うとしたら、SilverStone SST-FX350-G あたりがベストかと思いつつ、ケースが小さいこともあってモジュラー形式に惹かれた。

結局、Aliexpress でモジュラー電源を探し、販売実績とレビューをみて flex 650w に決めた。 (レビューを見ると、実際は 350W 程度しかないとあるが、私の場合はそれでも十分と判断)

メモリ

メモリは CPU とマザーボードの組み合わせによって決まる。

私の場合は SO-DIMM DDR4-2666 になるので、排熱性からヒートシンクを搭載したモデルから選ぶ。
容量は現状 16GB で安定動作させられていて、GB 単価を考えても 8GB×2 の構成がいいと考えた。

あとはメーカの好みなどこだわりがなかったため、条件に合うもので価格の安い CFD W4U2666CX1-8G 2 枚組 に決定した。

CPU ファン

CPU を正規品(非バルク品)で買うと、たいていリテールクーラーが付属してくる。 ただし、初期についてくるおまけ品ということで、冷えなくて騒音が大きいことがしばしば。 (私の中では、電気製品を買うとついてくる、動作確認用の乾電池程度に思ってる)

なので、安定した動作や静音化させたい場合は、個別に CPU クーラーを買う必要がある。 ただし、自作するときは CPU クーラーのサイズに気をつけたい。(特に今回のような SFF の場合は小さいケースに収めないといけない)

これもスプレッドシートに一覧があるのでこれを参考に選ぶ。
今回のケースは、公式サイトを見ると 50mm の高さ制限があるので、それとソケット(LGA1200)を条件に絞り込む。

一覧をみてもパッと来なかったため、価格.com でレビューを参考にしながら、 Cooler Master MasterAir G200Pに決定した。(RGB がついてて Good)

ケースファン

今回選んだケースには付属のファンがついていないので、付けたい場合は自分で選ぶ必要がある。

せっかく CPU クーラーが RGB 対応していたので、ケースファンも RGB 対応しているものから選ぶ。 メーカーのスペック表を見ると、 92x15mm Fan x2 とあるが、ケースを組んでみると 16mm まではいけそうだったので、 サイズ KAZE FLEX 92 SLIM RGB PWMを 2 つ購入した。

ケーブル他

ファン用のコネクタ数が、マザーボードのピン数とファンの数が合わなかったので、 ファンの分岐ケーブルが必要。 4 ピンと 3 ピンのものがあるが、マザーボード側もファン側も 4 ピンなので注意する必要がある。

安いものでもいいが、デザインが気になったため、Cable Matters PWM ファン用分岐ケーブルにした。

ケースファンの RGB コネクタには分岐ケーブルがついていたが、分岐に分岐を重ねことに違和感を感じたので分岐ケーブルを買うことにした。
RGB ヘッダも数が足らないため、Cooler Master CM RGB Trident Fan cable 1-to-3を購入。付属品として、オス-オスの 4 ピンコネクタもついている。

構成まとめ

TODO


Written by Shun Nishimura.

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